2022年度前期 各務原市生涯学習講座『ステンドグラスできらっきらの小物つくり』。全5回が、先日無事に終了しました。今期は7名が参加、うちリピーターさんは5名。毎回1つづつ、ステンドグラス小物を完成させます。
それでは、今期の全5課題と講座の様子を順にご紹介しましょう。
第1回「作り方を覚えよう ステンドグラスのミニパネル」
5月11日、開講日。まずは簡単な自己紹介から。そして、道具の説明、コパ―テープの巻き方やハンダ付けの仕方をデモンストレーションした後、さっそく制作にとりかかりました。
本講座ではすでにカットしたガラスを準備していますが、その色選びは自身でしていただくことで世界にひとつだけの作品を作っていただこうと考えています。しかしながら毎回、特に初回はやることも多く、ガラス選びにも時間を要しがち。今期初回だけは、ミニパネルの中央のガラス1枚のみを選択してもらう方法をとることにしました。しかも、じゃんけんで勝った人から選ぶことに。
自由に選べないことに心苦しさを感じつつ、しかしこれには思わぬ効果もありました。普段なら選ばないであろう色の組み合わせで作ることが、自分の感性の発見になったり喜びとなったとの嬉しい声が聞けたのです。
「いつも同じ感じの色を選んじゃう」という感想は毎回どなたかから漏れていました。自分の“好き”を知っていることはとても素敵なこと。しかし、新たな”好き”との出会いを遠ざけることにも。今回は、残りものには福が・・・ありましたね。
リピーターさんが多いとはいえ、久しぶりに手にするハンダごて。もう一度扱い方を確認しながら、安全面に十分に注意しながら作業を進めます。講座の最中はみなさん作業に集中しているため、会場はとても静かな時が流れます。
最後にいただいた感想では、「緊張で手が震えた」という声もありましたが、「集中することでリラックスできた」とマインドフルネスを体感した方もいらっしゃいました。
みなさんが集中して制作したミニパネル。「近くで見るとまだまだだけど、遠くから見れば綺麗で満足」と全員にっこり。次回への期待を胸に笑顔で会場をあとにされました。
第2回「窓辺に癒しの光を♪ ステンドグラスのサンキャッチャー」
2回目の5月25日は、大人気のサンキャッチャーを作りました。作りたいイメージに合ったガラスを選んでいただき、さっそく作業にとりかかります。前回覚えた制作の流れを思い出しながら各自のペースで進めていきます。
今回はピース数も少なめ。みなさん比較的速く作業が進みました。星(雪?)形のステンドグラスができたら、手作りの装飾ワイヤーを丸カン代わりにハンダ付けし、チェーンやクリスタルガラスをつけて完成。
窓辺に吊り下げて、太陽の光を受けキラキラと輝く様子をぜひ楽しんでいただきたいと思います。
並べるとかわいさ倍増。素敵ですね。
第3回「ステンドグラスのあじさいブローチ」
6月8日はブローチ作り。これは本講座が始まって以来欠かさずおこなっている課題で、三角と四角のガラスを組み合わせ自由にデザインしてもらいます。その裏面に金具などをつけて、ブローチやヘアアクセサリー、マグネットなどを制作します。今回は、ちょうど梅雨時期。通りではあじさいが美しい姿を見せ始めた頃ということで、三角四角に加えて葉っぱ形のガラスも用意し、あじさいブローチを制作していただけるようにしました。
ブローチなど身につけるものは、健康面への配慮から鉛の使われていない鉛フリーハンダを使用して制作します。これは通常のハンダを比べて溶け出す温度が高いため、非常に扱いにくく高い技術を要します。みなさん最初は手こずりながらも、納得のいくまで何度もやり直しながら、最後には美しく仕上げてくれました。
あじさい形のブローチは見た目にもかわいらしく、気分も上がります。みなさんさっそく胸につけ、笑顔で会場をあとにされました。
第4回「ガラスカットに挑戦! ステンドグラスのペンダントトップ」
6月22日は、初めてのガラスカット体験。いつもならあらかじめ済ませているガラスカットの工程の一部を実際に自身でおこなっていただきました。
ガラスを切るための道具の説明。カットする際の姿勢や注意点、切り方のポイントをお伝えし、クリアガラスで数回練習。その後、自分で決めたカット線を実際にカットしました。
ステンドグラスにおいてガラスカットは不可欠な工程。とはいえ、うまくカットできるようになるには相当な練習が必要です。そのため、短時間の出張講座ではあらかじめ切ったガラスを選んでいただく形式で進めることがほとんど。しかし私は、少しでもいいから体験していただきたいのです。自分でガラスが切れる感動を。
初めてですからまっすぐ切れなくて当たり前。力加減も難しいですよね。でも、全員が見事に自身の手でガラスを切ることができました。そのガラスを使って自分だけのペンダントトップを作る。今回の課題は特に感動も一入だったと思います。
パステルカラーの優しい雰囲気の作品が勢ぞろい。カットしたガラスの組み合わせを交換しペンダントトップを各自2つずつ作りました。
前回同様に鉛フリーハンダを使用しての制作で、かつガラスカットもあり、また、丸カン付けの工程まであった今回。もりだくさんでしたが、この日もさっそく首に掛けて帰られる方が続出。その顔には喜びが溢れ出てしまうといった笑顔が。自分で作ったものを自分で使う喜び、感じていただけたようです。
毎回講座の最後におこなう作品鑑賞会では、おひとりずつ感想をお話いただいています。難しくて苦労したところ、前回より成長を感じられたところなど、みなさんから教えていただいた内容は次回の課題に活かすための貴重なご意見。毎回ありがたく拝聴しています。また、講座の最中には聞けなかった疑問をここで解決していただいたり、他の受講生の作品と見比べながら、色づかいなど互いに刺激を受け取っていただいているようです。
第5回「ステンドグラスの立体小物(万緑の立木)」
7月6日は今期の最終回。立体作品を制作する課題です。木の幹にガラス4枚を使用して立つ木を作りました。
今回の課題は、同じ形ですがそれぞれ個性を発揮していただきたいと思い、葉の部分のガラス4枚は各自で選んでいただきました。色選びは本当に悩みますね。でもそれもまた楽しい時間。どの木もみんな素敵ですよね。並ぶと一層かわいい。
幹の部分はピースが混み合いハンダも集まるため重くなりがち。また、立体ということで”安定感のある脚”にするには作業の慎重さも必要となりますが、みなさん集中力をもって仕上げていただきました。最後は、脚が少々ガタつく場合の修正方法もお伝えしました。
みなさんの作品を窓辺に飾べると、夏の青空との相性も抜群。キラキラと輝く万緑の立木ができあがりました。
2022年度前期講座も全5回を終え、受講生のみなさんからは多くの「楽しかった」のお声をいただきました。私にとっても楽しく充実した時間です。ありがとうございました。
さて、次は2022年度10月開講の後期講座を予定しています。次期の講座では、これまでおこなっていた鉛フリーハンダを使用してのアクセサリー作りをお休みして、全5回を通して通常のハンダで小物づくりをおこないます。以前から、講座の途中でハンダが変わることで技術向上の妨げになっていると感じていたためです。ご案内は8月中旬頃になる予定です。またあらためてお知らせします。